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故人の住民税と年金の知識

お金公的な施設やサービスは政府や地方自治体が管理・整備をしており国民はそれに対し税金を納めます。この税金のことを地方税と呼び、住民税もその中の一つです。納めていた方が死亡した場合、納めていた住民税はどうなるのでしょうか。また、亡くなった方が年金を受給していた場合、取り扱いをどうしたら良いのか分からないという方もいるのではないでしょうか。自動的に遺族への支給に切り替わるのか・手続きが必要なのかなど疑問を抱く方もいらっしゃることでしょう。これらを知らずにいると不正受給を引き起こす原因にもなりかねませんので注意が必要です。
今回の記事では、故人の住民税と年金の知識を詳しくお伝え致します。


年金を受け取っていた方の死亡後の手続きの知識

年金

年金をもらっていた方が亡くなった後に行う手続きは大きく分けて以下の三つになります。

手続き一覧
「年金受給権者死亡届の提出」
「未支給『年金・保険給付』請求」
「遺族給付の請求」

「年金受給権者死亡届」の提出は、死亡したため年金を受け取る権利がなくなったことを知らせて受給を停止する役割があり、届出を行わないと死亡後も年金が支払われることになりますので不正受給に繋がり注意が必要です。
「未支給『年金・保険給付』請求」はまだ支給されていない年金を受け取るため、「遺族給付の請求遺族」は遺族年金をもらうために必要な手続きです。申請せずにいるともらえたはずのお金が支給されない可能性がありますので注意が必要です。

無年金受給権者死亡届の知識

年金の受給者が他界したとき、死亡届の提出だけでは年金の支給は止まりません。そのため、年金受給権者死亡届を提出する必要があります。この手続きを期間内に行わなかった場合は年金の不正受給になってしまいます。まず始めに年金の受給停止手続きである「年金受給権者死亡届」について詳しくお伝え致します。
※例外として日本年金機構に住民票コードを登録してあれば年金受給権者死亡届の提出は不要です。登録状況は年金振込通知書にある「住民票コード収録状況欄」で確認でき、登録されていると「収録済」と書いてあります。

年金受給権者死亡届は提出期限が非常に短いことが特徴です。国民年金・厚生年金・共済年金それぞれ期限が違うため注意が必要です。「国民年金は死亡した日から14日以内」「厚生年金と共済年金は死亡日から10日以内」が期限です。大切な方を亡くし心身ともに疲弊した最中で葬儀やその他の手続きで何かと余裕のない時期ではありますが、提出期限は待ってくれません。万が一忘れてしまった場合、死亡後も年金が支給されてしまい不正受給となってしまいます。期限内に提出できるよう速やかに手続きを行いましょう。

再三にわたりお話していますが、年金受給権者死亡届を提出せずに放置すると不正受給につながる恐れがあります。死亡届が受理されるまでは生きていると見なされ、年金が支給され続けるためです。不正受給分の返還請求が発生しないように必ず期限内に手続きしましょう。また、うっかり忘れていたとしても返還義務は生じ、仮に意図的に不正受給を続けた場合には詐欺容疑に問われるというリスクも発生します。大きな問題に発展するとその後の生活にも悪影響があるため注意が必要です。

受給停止手続きを行う際にはいくつかの書類が必要です。提出先は年金事務所または街角の年金相談センターになります。それらの所在地は日本年金機構のホームページで確認できます。ここからは受給停止手続きに必要な書類や提出が不要になるケースをご紹介致します。

必要書類
年金受給権者死亡届(報告書)
亡くなったことを証明する書類(死亡診断書・住民票・戸籍謄本など)
故人の年金証書

年金受給権者死亡届は日本年金機構のホームページからもダウンロードできます。記入例も用意されていますので間違いがない様にしっかりと確認しながら記入しましょう。

未支給『年金・保険給付』請求の知識

受給可能な年金を貰わずに亡くなった場合、死亡時に生計を共にしていた遺族が「未支給年金」として支払われていない分を受け取ることが可能です。年金の支給対象受給者の死亡月の分までとなり、年金は2か月に1度、偶数月の15日に前月・前々月の分が振り込まれるという後払いの形をとっているため、どのタイミングで他界しても未支給年金は発生します。遺族は請求を忘れないように注意しましょう。

未支給年金は自動的に遺族に支給されるわけではありません。請求を行うことで受け取れる仕組みになっており受給者は死亡してから5年以内に手続きが必要です。期限が5年と比較的長めにはなっていますが、一般的に年金受給権者死亡届と一緒に手続きを行うことになります。忘れてしまうと未支給分を受け取れなくなってしまいますから、後回しにせずにしっかりと請求しましょう。
未支給『年金・保険給付』請求の手続きをする際には他界した方と遺族が日常生活のお金を共にしていたことを証明する必要があります。

必要書類
未支給『年金・保険給付』請求書
故人の年金証書
戸籍謄本
住民票(除票)
世帯全員の住民票
受け取りに使う預貯金口座の通帳(コピー可)
生計同一についての別紙の様式(故人と別世帯の場合)

また、未支給年金は遺族であれば誰でも受け取れるという訳ではありません。受け取る権利があるのは年金受給者が亡くなったときに生計を同一にしていた方で「配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹・それ以外の3親等内の親族」に限られます。受け取れる権利の順位も並び通りです。請求の際は亡くなった方と自分の関係性を確認しましょう。
未支給『年金・保険給付』請求書の提出先は、生前に受け取っていた年金の種類によって異なります。亡くなった方が受け取っていた年金の種類をしっかりと確認し提出先を間違えないようにしましょう。老齢基礎年金はお住まいの地域を管轄する年金事務所へ、障害基礎年金・遺族基礎年金・寡婦年金はお住まいの地域の市区町村窓口へ提出します。必要書類を揃えた上で正しい窓口に提出しないと手間が増えてしまいますので注意しましょう。

遺族給付の知識

生計を維持している方が亡くなった場合、残された家族の生活は苦しくなってしまうことも予想されます。そのため遺族を支える遺族給付という制度があります。故人が生計を維持していて国民年金の未納額が一定のラインを越えていなかった場合、18歳以下の子がいれば遺族基礎年金が給付されます。また、亡くなった方が厚生年金に加入していた場合であれば、子どもがいるかの有無に関わらず遺族厚生年金がもらえます。こからは、4つの遺族給付についてそれぞれ詳しくご紹介致します。

遺族基礎年金
遺族基礎年金とは、故人が生計を維持した場合に故人の国民年金の未納額が一定のラインを越えていない場合にもらえる年金です。
この年金の受給対象者は、18歳以下の子がいる配偶者もしくは18歳以下の子(親がいない場合)に限られます。子供の年齢が18歳になった日から最初の3月31日まで、また障害等級の1級・2級であれば20歳まで支給されます。いずれも結婚をすると対象から外れます。18歳以下の子がいない場合遺族基礎年金は支給されません。
遺族厚生年金
遺族厚生年金とは、故人が厚生年金の加入者か受給者でその方に生計を維持されていた遺族がもらえる年金です。
受け取れる遺族の範囲は、配偶者・子・父母・孫・祖父母(夫・父母又は祖父母は55歳以上、子又は孫は18歳以下)となります。また、受給できる優先順位もこの並びの通りです。
寡婦年金
寡婦年金とは、第1号被保険者として保険料を納付した期間と免除期間の合算が10年以上である夫が年金を受けることなく他界した場合に故人と10年以上婚姻関係にあり生計を維持されていた妻が受け取れる年金です。
60歳から65歳になるまでの間、夫の第1号被保険者の期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3を受け取れます。亡くなった夫が老齢基礎年金を受けていたり障害基礎年金の受給権者であったり、妻が繰り上げ支給の老齢基礎年金を受けていたりすると支給されないことも覚えておきましょう。
死亡一時金
死亡一時金とは、国民年金保険料を3年分以上納付した人が年金を貰わずに亡くなった場合に、日常生活のお金を共にしていた遺族に対し納付月数に応じた一定額の一時金が支払われるものです。
注意点として、遺族基礎年金と同時には受け取れない点や妻が寡婦年金を受け取れる場合はどちらかを選択しなければならないという点も併せて覚えておきましょう。受給の権利があるのは、死亡した方と生計を同じくしている配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹です。優先順位もこの並びとなります。

今回の記事では、年金を受給いていた方が亡くなったときの手続きについてご紹介致しました。まず第一に必要な手続きは年金受給権者死亡届です。年金の不正受給にならないよう忘れずに届け出ましょう。その上で、未支給年金や遺族の生計を支えてくれる遺族年金の請求を行い、受け取れるお金を無駄にしないことが大切です。自分がもらえる年金を確認し、必要な手続きを正しく行いましょう。


故人の住民税の課税の知識

相続

住民税という言葉は税金の呼称の中でも身近に感じる方が多いもののひとつではないでしょうか。住民税とは、その地域で生活している方々が地域社会への費用として納める税金のことを指し「個人住民税」と「法人住民税」の二種類があります。市区町村に住所があり、個人が所得に応じて納める住民税が個人住民税で、事業所や事務所がある市区町村に申告をして納める住民税のことを法人住民税といいます。
住民税は年の始まりである1月1日が課税の基準日となっていて、死亡した方に住所があり所得があれば納めることが必須です。したがって、死亡した日が1月2日以降だった場合は課税の対象となります。その場合、納税の責任は相続人へと引き継がれ死亡した方に代わり相続人が納税しなければなりません。翌年1月からは課税されることはないため、納税の対象にはなりませんので納めるのはその年だけの住民税となります。

納税していた方が死亡した場合、納税の責任は相続人へと引き継がれます。相続人の対象になる人は決まっており、遺言書があればその内容が優先され、遺言書が特になければ民法によって定められた優先順位によって誰が相続するのかが決まります。一般的には配偶者や血族者が相続人になることが多いです。

納税の知識

故人の住民税を納める際には、生前どのような方法で納めていたかによって納税する方法が変わってくる場合があります。ここからは、どのような納税方法があるのかを紹介していきます。まずは「普通徴収」の場合です。普通徴収の場合には税を納めなければならない個人宛に役所から納付書が送られてきますので、その納付書に従い住民税を納めます。給与所得以外で収入のある個人事業主や、退職をしていて次の就職先がまだ決まっていない人、特別徴収から普通徴収に切り替わった人などは普通徴収者と呼ばれています。普通徴収では、年に4回住民税を納めているので一度にかかる税の金額が多いのが特徴の一つです。
続いて「特別徴収」の場合ですが、給与の支払い者である会社が毎月の給与から住民税を差し引いて納めることを特別徴収と言います。会社に勤めている方のほとんどが特別徴収に当てはまるでしょう。住民税は所得によって金額が変わってくるので、勤めている会社が住民に代わって納めることでより確実に徴収できるようにする特別徴収が会社側の義務となりました。また、仕事を退職して年金をもらっている方は支払われている年金から住民税を差し引いて納めています。これが「年金特別徴収」です。

では実際に、故人の住民税を納めるにはどうすれば良いのでしょうか。一般的には死亡した方が生前納めていた方法に沿って納めていきます。まず故人の相続人は代わりに納税を行うために税の申告を行うことになり、その際に必要となる書類は以下の通りになります。

必要書類
申告する本人の身分証明書(運転免許証など)
故人との関係性がわかる書類(戸籍謄本など)
故人の所得がわかる書類(源泉徴収など)

また、普通徴収の場合は、住民税を納めていた本人の住所に納付書が届くので、それに従い手続きを行えば納めることができます。故人の住所がある管轄の役所に問い合わせるのもよいでしょう。特別徴収の場合は、給与から住民税を差し引いて会社が代わりに納めていましたが、死亡した場合、給与から差し引いて納めることができなくなりますので、残りの住民税は個人で納税する普通徴収へと切り替わり、相続人の住所に納付書が送られてきます。年金から住民税を差し引いて納めている年金特別徴収の場合でも、残りの住民税は普通徴収へと切り替わるため覚えておきましょう。

それでは、住民税を納めないとどうなるのでしょうか。死亡した方の住民税は相続人が責任を持って納めます。住民税をそのまま放っておくと延滞税が発生する可能性があるため注意が必要です。納付書は死亡確認後に届くため時間が空くことがありますが、延滞税が発生すると住民税と同時に余計なお金を失うことになるので事前にしっかりと確認しておくとよいでしょう。納付期間が過ぎていた場合は速やかに管轄の役所へと連絡をし、事情がある場合でも早期の相談が大切です。

相続放棄と納税義務の知識

一般的に死亡した方の住民税は相続人が納めますが、「相続放棄」をすれば納税が不要になります。財産の相続はできませんが、負債である税金の納税も不要になるということです。ではどのような時に相続放棄を選択した方がよいのでしょうか。ここからは、相続放棄を選択する場合についてご紹介いたします。

相続では、死亡した方の財産を引き継ぐことができますが、それと同時に負債も引き継ぐことにもなります。引き継いだ負債が財産よりも多かった場合には多額の損失を被ることになることもあり得るのです。
相続破棄を行うケースとしては、財産が多い場合に相続人同士で揉めてしまうことがあり、お金に関する相続人同士の問題に巻き込まれたくない方が相続の権利があっても相続放棄をすることもあります。また、負債はないものの先を見据えると負担になるような財産があり、それを回避するために相続放棄を選択する状況もあるかもしれません。死亡した方の負債を引き継いだ財産の範囲内で負担することにする「限定承認」という方法があります。相続放棄をしてしまうと手放したくない財産も手放さなければなりません。そのため一部の財産を相続し、引き継いだ財産で支払える程度の負債を引き継ぐ選択をすると安心できます。また、限定承認をする場合も必要な書類や申告しないといけないことがあるので事前に確認しておくと安心でしょう。

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